伊勢甚の歴史は古く、1724年(享保9年)に呉服商・伊勢屋として創業、三代目からは水戸徳川家の御用商人を務める。1957年(昭和32年)10月伊勢甚百貨店となり、水戸を代表する百貨店に成長。1977年、業績が良い状態で小売流通部門を一括してジャスコへ営業譲渡、1989年からは「ボンベルタ伊勢甚」となるも2003年に営業を終了。建物は解体され新しいビルには向かいにあった京成百貨店(旧志満津)が2006年に移転オープン。2005年には日立店も閉店し茨城県の名門百貨店「伊勢甚」の名称は消滅。
しかし不動産業の伊勢甚本社は健在で、最近の地方百貨店の苦境を見ると、1977年当時の業績が最も良い時に小売業を営業譲渡するという経営判断は見事。伊勢甚本社の中央ビル屋上には今も伊勢甚のマークが誇らしげに輝いています。2023年10月訪問。
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2023年10月撮影 伊勢甚本社中央ビル |