三越が最初に新宿へ出店したのは、関東大震災直後の1923年(大正13年)、追分交差点角に「三越マーケット」を出店したのが始まり。その後1929年(昭和4年)10月10日新宿アルタ(2025年2月末閉館)への移転を経て、1930年には新宿通りの一等地に当時としてはめずらしかった鉄筋コンクリート8階建ての大規模な新店舗を構えて三越新宿店の営業を開始。2005年(平成17年)にはファッションビルに転換して「新宿三越アルコット店」に全館リニューアルした。その後、外部一括賃貸に伴い2012年3月31日で営業を終了した。約80年にわたって伊勢丹とともに新宿通りの顔として存在した百貨店だった。2025年現在、跡地はビックカメラ新宿東口店となっている。
一方、新宿第一劇場跡地を買収して1991年10月に三越美術館を併設した南館を開業。しかし、バブル崩壊や新宿高島屋の進出などの競争激化で1999年(平成11年)7月31日に南館は閉店。閉店後は全館を大塚家具に賃貸し同年9月10日から「IDC大塚家具新宿ショールーム」となって現在に至っている。こちらは一見してかつて三越南館だったとわかる百貨店風の建物として残っている。1997年2月期売上高533.3億円、売場面積38,933㎡(1997年版百貨店調査年鑑)。2007年2月期売上高162.3億円、売場面積11,835㎡(2007年版百貨店調査年鑑)。2025年4月訪問。
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2025年4月伊勢丹側から撮影 |
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2025年4月新宿駅側から撮影 |
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在りし日の三越新宿店(撮影年代不明) (多摩地区そして日本各地の画像集より) |
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旧三越南館・北出入口 |
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旧三越南館・南玄関 |
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旧南館・南エントランスの吹抜 (許可を得て撮影) |
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2025年4月・三越跡から見た新宿伊勢丹 |