全国の百貨店(デパート)を直接訪ね歩き、撮影し記録に残します。そして時々旅の情報も紹介します。

2025-10-31

『松坂屋名古屋店』 (日本屈指の歴史を持つ老舗百貨店)

ルーツは1611年創業のいとう屋呉服店。日本最古の歴史を誇る現役百貨店。1910年(明治43年)21日百貨店を開業。2025年は全国の店舗を屋号・松坂屋に統一して100周年。江戸時代の小袖や紅型などの貴重な資料や歴史がわかりやすく説明されている松坂屋史料室が南館7階にあり無料で見学できる。2025年春には本館屋上に新しいデザインの屋上遊園地を復活させた。本館、北館、南館の3館体制で連絡橋で結ばれている。大津通に出ると伝統的百貨店の風格ある外観を見ることができる。売場面積86,758㎡。20252月期売上高1,315億円。地域一番店はJR名古屋タカシマヤに譲るも店舗別売上高ランキングでは常に上位に入る名古屋を代表する松坂屋の基幹店。202510月訪問。所在地:名古屋市中区栄3-16-1

2025-10-29

『名古屋三越栄店・ラシック店』(旧オリエンタル中村百貨店)

ルーツは1869年(明治2年)名古屋広小路で創業した中村呉服店。1954年(昭和29年)5月に百貨店化、1969年には三越と提携し1980年(昭和55年)10月から名古屋三越となった。現在は百貨店型の栄店(売場面積49,827㎡)とファッション特化型のラシック店(売場面積29,000㎡)の2館体制となっている。競合する松坂屋や高島屋との差別化を図り、新宿伊勢丹や日本橋三越と連携して好調な外商に加えて、栄店は百貨店らしいオーセンティック&エターナルを追求、ラシック店はユニークで最旬を発信する唯一無二のSCを目指している。栄地区の再開発も人流増加で好影響、20252月期売上高469億円(前年比+4%)。オリエンタルビル屋上広場にある伏見稲荷・白菊三光大神と登録有形文化財の屋上観覧車は現存する日本最古のもので一見の価値あり。202510月訪問。所在地:名古屋市中区栄3-5-1

2025-10-28

『名古屋三越星ヶ丘店』 (旧オリエンタル中村星ヶ丘店)

1974年(昭和49年)101日オリエンタル中村星ヶ丘店として開店。その後三越傘下となって社名変更により1980年10月から名古屋三越星ヶ丘店となる。大型SC攻勢の激しい名古屋東部、地下鉄星ヶ丘駅に隣接している。この地域は富裕層が多く住む高級住宅街。出店当初の売り上げ不振が三越との提携を早めた原因と言われているが、現在は日常使いに便利なデイリー型百貨店として売上の約5割を食品が占めるなど地域密着で堅調な売り上げを確保している。20252月期売上高162億円。 売場面積23,618㎡。202510月訪問。所在地:名古屋市千種区星が丘元町14-14

2025-10-26

『ほの国百貨店(旧豊橋丸栄)』 (2020年3月閉店)

豊橋丸栄として1974年(昭和49年)101日開店。売場面積14,890㎡。1992年には161億円を売上。2000年頃から業績が悪化。途中豊橋西武の閉店で一時的に業績改善するも、再び売上が減少し2012年(平成24年)31日から「ほの国百貨店」に社名変更して地域密着型百貨店として再出発。20192月期売上は50億円まで減少、債務超過や店舗の老朽化により2020年(令和2年)315日閉店撤退した。建物は解体され跡地には分譲マンションが建っている。202510月訪問。 所在地:豊橋市駅前大通2-10

2025-10-25

『西武百貨店豊橋店』跡 (2003年8月10日閉店)

ルーツは1931年開店の丸物豊橋店。戦後、駅前移転とともに豊橋丸物として分社化され映画館も併設された。19734月資本提携により「豊橋西武」に改称し新館増設などを行い、1989年には西武百貨店本体に移管された。西武本体の経営破綻後の再建計画で不採算店となり2003810日閉店。売場面積21,280㎡、19972月期売上高121.8億円(百貨店調査年鑑より)。跡地は解体再開発されて複合型ビル「ココラフロント」になっている。202510月訪問。所在地:豊橋市駅前大通1-43

2025-10-22

『西武百貨店岡崎店』跡 (2020年8月31日閉店)

イオンモール岡崎の郊外型「21モール」の百貨店核として2000年(平成12年)922日開店。売場面積15,387㎡。ピーク時には100億円以上を売上げて、優良店舗であったが、徐々に実績が予想を下回り低迷、加えて西武百貨店がイトーヨーカドー傘下になったことで2020831日閉店した。跡地には、イオンモールの専門店やJR名古屋タカシマヤ・フードメゾン岡崎などが出店して賑わっている。202510月訪問。所在地:愛知県岡崎市戸崎町外山38-5

2025-10-19

『松坂屋岡崎店』跡 (2010年1月31日閉店)

1971年(昭和46年)410日中心市街地の岡崎ショッピングセンターの核店舗として開店。人口38万の中核都市の百貨店としてピーク時(1992年)の売上高は129億円あった。しかし1995年以降赤字が続き、大丸との合併以降の経費節減策によっても改善せず、2010年(平成22年)131日閉店。売場面積11,429㎡。20072月期売上高61億円。建物は解体され跡地には高層マンションと地元のアオキスーパー岡崎店が出店している。202510月訪問。所在地:愛知県岡崎市康生通西3-15-4。 

2025-10-18

『岡崎オカダヤ』跡 (1970年4月14日商号業態変更)

国道1号線が市内を貫く徳川家康の出生地・岡崎市の中心市街地にあった「たつき百貨店」跡地の再開発ビルに1965年(昭和40年)21日核店舗として出店し1967320日から百貨店法に基づく「岡崎オカダヤ」として開店。その後19703月の親会社合併により1970414日屋号をオカダヤからジャスコに変更、業態も百貨店から総合スーパーに転換した。グループ店の岡崎南店(現イオンモール岡崎)を拡張することに伴い1998年(平成10年)3月閉店。跡地は岡崎シビコとして現在も活用されている。202510月訪問。所在地:愛知県岡崎市康生通西2-20-2

2025-10-17

『ジェイアール名古屋タカシマヤ』

2000315日開店。当初JR東海は松坂屋と合弁する予定だったがその松坂屋が本店との競合を懸念して撤退したためJR東海と高島屋の合弁企業となった。そして2019年には松坂屋名古屋店を抜いて売上高地域一番店となる。ターミナルデパートであるが故にコロナ禍では売上高3割減と影響が大きかったが、20232月期決算でコロナ禍前に復帰、2024年には地域一番店として過去最高売上高を更新している。20252月期売上高1,805億円(グループ全体では2,154億円)、売場面積71,600㎡(ゲートタワーモール含め104,000㎡)。新しい駅ビルでの開店だったので名古屋駅との絡みもシンプルで買い回りもしやすく利便性に優れている。20217月に出店したウォッチメゾン、20223月にイオンモール岡崎に出店したフードメゾン岡崎店も好調とのこと。2024年に閉店した岐阜高島屋エリアへの取組も積極的に行っている。202510月訪問。所在地:名古屋市中村区名駅1-1-4 

2025-10-15

『近鉄パッセ』 (2026年2月28日閉店を発表)

1966年(昭和41年)1123日名古屋近鉄ビルに開店した近鉄百貨店名古屋店は「近鉄パッセ」の名前で知られる百貨店。売場面積8,959㎡。2025年2月期売上高18.9億円(新会計基準で発表)。1998年から若者向けのレディースファッション特化型に業態転換をしている。そのため、来店客は10代から20代の若い女性が中心である。建物は名鉄百貨店各館の間に挟まれているため、名駅ビル再開発にともない2026228日に閉店することを発表した。202510月訪問。所在地:名古屋市中村区名駅1-2-2

2025-10-13

『名鉄百貨店』 (2026年2月28日閉店予定)

阪急の全面的な支援を受けて1954年(昭和29年)121日開業。1957年には全館落成、1973428日には巨大なマネキンで有名な「ナナちゃん人形」を設置した。2000年からのJR名古屋タカシマヤとの競争激化に対応すべく名鉄の完全子会社化や伊勢丹との業務提携をすすめてきた。しかし、新型コロナ禍の影響で遅れていた名駅再開発計画決定を機に、外商部門をグループ会社に残して百貨店としては2026228日閉店を発表。再開発はリニア中央新幹線の開業を見据えて名鉄駅の4線化やバスターミナルやホテル、商業ゾーンを一体化した施設となるが、そこに百貨店は存在せず実質的な撤退となる。20252月期売上高387億円。 売場面積54,974㎡。202510月訪問。所在地:名古屋市中村区名駅1-2-1

2025-10-10

『松坂屋四日市店』跡 (2001年5月31日閉店)

近鉄四日市駅西口再開発ビル「アムスクエア」の核店舗として1991年(平成3年)113日開店。売場面積23,426㎡、19972月期売上高154.2億円(百貨店調査年鑑より)。しかし毎年20億近い赤字を出し続け、2001年(平成13年)531日に閉店。現在は、トナリエ四日市という複合型商業施設になっている。202510月訪問。所在地:四日市市安島1-3-31

『近鉄百貨店四日市店』 

開店は1960年(昭和35年)618日。四日市近鉄ビルの核店舗で1990年~1991年にかけて売り場を拡大し三重県内最大の売場面積を持つ。売り上げの35%を食料品が占めているターミナルデパート。しかし、三重県はイオンの創業地であり周囲の多くのイオン店舗と競合し、電車で30分の名古屋の百貨店、特に高島屋との競合にさらされている。プラグスマーケットのような地域共創型FC事業を柱に強化を図り、直近2年連続黒字化を達成。20252月期売上高171.6億円、売場面積33,898㎡。202510月訪問。所在地:三重県四日市市諏訪栄町7-34

2025-10-09

『近鉄四日市スターアイランド』跡 (2020年2月29日閉店)

近鉄が建設した駅前ビルに1988年(昭和63年)1118日開店。売場面積6,328㎡。四日市最大のファッションビルと言われ東海初のスパイラルエスカレーター(三菱電機製1200型)が導入され話題となった。現在百貨店でスパイラルエスカレーターがあるのは米子しんまち天満屋、天満屋津山店、井筒屋山口店の3店のみ。2001年からは近鉄百貨店の直営施設となり本体の四日市店と一体運営されていた。しかし競争激化で空き店舗が増え2020年(令和2年)229日閉店。建物は解体され現在駐車場になっている。202510月訪問。所在地:三重県四日市市諏訪栄町6-4

2025-10-06

『四日市オカダヤ』跡 (1970年4月14日商号業態変更)

ルーツは岡田惣右衛門が1758年(宝暦8年)四日市の九六町で太物・小間物商を篠原屋という屋号で創業したのが始まり。1887年(明治20年)に屋号を岡田屋に改称。1958年(昭和33年)425日近鉄四日市駅前にオカダヤ駅前店を開店。19591118日四日市市初の百貨店「四日市オカダヤ」となる。1969年にはA館・B館の2館体制となり1970年(昭和45年)414日合併によりオカダヤからジャスコ四日市店に商標変更して業態も百貨店から総合スーパーに転換した。最盛期1976年の年間売上は89億円だったが2000年には3割まで大きく減少し、社名がイオンに変わった後の2002120日閉店。四日市は現在のイオングループの起源の地でもある。跡地は解体され、A館跡もB館跡も分譲マンションが建っている。202510月訪問。所在地:三重県四日市市諏訪栄町65

『津オカダヤ』跡 (1970年4月14日商号業態変更)

1957年オカダヤの2号店として津市中心街に出店。1967年(昭和42年)1127日同地の中日会館ビルの改築を機に、津市内では松菱に次いで2番目の百貨店として開店。しかしわずか3年後の1970414日には商号変更により総合スーパーに業態変更、ジャスコ津店となる。その後はいったん増床するも2000年(平成12年)86日閉店。跡地のビルは解体され、百五銀行となっている。202510月訪問。所在地:三重県津市丸之内31-21

2025-10-05

『伊勢オカダヤ』跡 (1970年4月14日商号業態変更)

伊勢市駅前の旅館跡地に1966年(昭和41年)428日百貨店法に基づき伊勢市初の百貨店として新築開店。地上5階建て売場面積3,153㎡。百貨店としては短命で1970年(昭和45年)414日商号変更及び業態変更によりジャスコ伊勢店となる。その後1973年には隣接地にB館となるビルを増築して当時三重県最大面積の総合スーパーとなった。しかし1980年をピークに売上減少1996年(平成8年)930日閉店。跡地は現在宿泊施設や土産店、予備校などになっている。202510月訪問。所在地:三重県伊勢市本町1-18

2025-10-03

『津松菱』 名門・丸物の系譜を守る百貨店

1936年(昭和11年)51日、津市大門町に県内初の大型百貨店として大門百貨店を開業。1955年(昭和30年)101日から浜松松菱が引き継ぎ屋号を津松菱とし、1963年現在地に移転した。京都の丸物系として現存している数少ない百貨店。城下町・津の古くからの繁華街に位置し、城の外堀にあたる岩田川と伊勢街道に隣接して建っている。浜松松菱倒産の影響で苦戦を強いられたり、業績低迷で産業再生機構の支援を受けたり、コロナ禍の影響を受けながらも、創意工夫で経営を立て直し、銀行の支援や地域から愛されて直近10年以上連続で黒字決算を続けた。建物は津の老舗紙問屋・ミフジ(安永2年創業)が所有している。千葉県の銚子電鉄とコラボしたそば店や「選べるガチャ」など話題も多く週末は家族連れで賑わう。売場面積15,450㎡。20252月期売上高48.3億円。202510月訪問。所在地:三重県津市東丸之内4-10

2025-10-01

『松坂屋上野店』 

1768年(明和5年)520日上野の松坂屋を買収して「いとう松坂屋」を開業してから現在まで当地で営業している上野松坂屋。1907年(明治40年)41日百貨店として開業。1925年全国の店舗名を松坂屋で統一。1929年には上野店で日本初のエレベーターガールを採用。193011日、日本初の地下鉄駅直結百貨店となる。戦後増築した南館を解体し201711423階建ての上野フロンティアタワーを開業し現在に至る。近年は「上野らしさ」を生かした下町地域密着型百貨店をアピールしながら外商活動の強化で20252月期外商伸び率は松坂屋全店中トップとのこと。売場面積21,759㎡。20252月期売上高273億円。20259月訪問。所在地:東京都台東区上野3-29-5 

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